以前このブログで、ブルックリンにある Pulley Collective(プーリーコレクティブ)を紹介しました。この時(もう二年前ですね)私はその合理性とオープンなあり方にとても感動したのですが、今、世界中でこのようなシェアロースターが増えているようです。
業務用の焙煎機は最低200万円から、高いものだと何千万円もするものもあります。例えば焙煎を始めたいと思っても、その初期投資がネックになり、すぐには始められないのが現状です。しかも焙煎機が手に入ったとしても、コーヒーの焙煎を教えてくれる場所はそんなに多くありません。最も難しいのはコーヒーの正しい情報を得ることだと思います(プロですら)。そんなあれこれを解決し、コーヒーに携わる人々をより自由にする仕組みが、シェアロースターです。
◎シェアロースターとは?
焙煎機を時間貸しする仕組み。多くの場合、焙煎やバリスタのクラスも行っている。焙煎機を持たないカフェや開業予定者が主なユーザー。焙煎所がサービスとして提供することもあるし、その施設運営をビジネスにしているところもある。
「いつか自分で焙煎したい!」と思っていたバリスタさんやカフェオーナーさんが焙煎を学び、自分で焙煎したコーヒー豆を自分で淹れて、お客さんに楽しんでもらえるのです。焙煎をすることでコーヒーに対する理解が深まり、抽出のレベルも必然的に上がります。そんな人が増えれば、そのコミュニティのコーヒーカルチャーは変わるでしょう。
コーヒーは職人的で、閉鎖的で、実証とファンタジーの境目が分かりにくい世界です。だからイノベーションを必要としているし、今も世界中でイノベーションが起き続けています。
それでは世界中のシェアロースターを紹介しましょう。
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コペンハーゲンを訪れたときに出会った April Coffee(エイプリルコーヒー)。すごく美味しかったのですが、彼らはこちらを利用しているとのことでした。焙煎機はローリングスマートロースター。
2.Buckman Coffee Factory(アメリカ・ポートランド)
2016年にできたばかり。シェアロースターのほかに、生豆を販売し、さらにマイクロロット甩の倉庫も提供している。趣味でクラフトビールをつくるノリで、趣味で焙煎する人もいるんだろうな。いかにもポートランドらしい。
盛り上がりを見せるアジア。バリスタや焙煎のクラスが充実。焙煎機はギーセン。
日本では東京のグリッチコーヒーさんがロースターをシェアされていますね。
そして最近知ったメルボルンの Bureaux Collective(ビューローコレクティブ)。彼らは際立ってすごい。焙煎の未来を感じるような場所なのです。明日、詳しく掘り下げてみます。
(つづく)