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サンフランシスコの夏休み #Equator Coffee(エクエーターコーヒー)

霧がかって肌寒い、朝のダウンタウンを歩く。

朝のマーケット通りは、マンハッタンさながらだ。高層ビルの隙間を同じ方向に歩いて行くビジネスマン。ニューヨークと違うのは、彼らの装いがカジュアルだということと、自転車通勤している人が多いこと。厚手のパーカーやフリースを着込んでメッセンジャーバッグを背に、広くとられたバイクレーンを滑るように走っていく。そして、その横ではホームレスの朝の集会が開かれている、いくつも。

高台のノイバレーでは愛犬の散歩をする人、ドロレスパークの周りをランニングする人、チャイナタウンのドーナツ屋でコーヒーと新聞を楽しむ人。それぞれいろんな過ごし方があるけれど、みんな朝の時間を大切にしているのは同じようだ。

私は朝のコーヒーを求めて、マーケット通りを歩いている。

ホームレスの喧騒を抜けてやっと辿り着いた。Equator Coffee(エクエーターコーヒー)である。

この旅で最も楽しみにしていたお店の一つ。なぜなら私は彼女たちのあり方を本当に尊敬していて、ネットで情報を集めては熟読していたけれど、お店を訪れたことも、彼女たちのコーヒーを飲んだこともなかったのだ。

赤い看板が見えた瞬間、ドキッとする。

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エクエーターコーヒーは1995年、ブルックとヘレンという二人の女性によって、サンフランシスコ北部(ゴールデンゲートブリッジを渡った先)のとあるガレージで始まった。品質、持続可能性、社会的責任にフォーカスするという目的は当初から定まっていた。

やはりスペシャルティコーヒーと女性の親和性は高い。リチュアルもレッキンボールも女性オーナー。母性的な世界観だから必然的だ。日本もそのうちそうなるだろう。

彼女たちは、生産地で働く人々の生活や、コーヒーの木を育む自然環境をよりよくする取り組みに力を注ぎ続けた。そして地元のカフェを通じて熱烈なファンを生み出し、2011年にはBコーポレーション(B Corp)に認定され、その活動の素晴らしさは公的にも認められた。

エクエーターの素晴らしさを語るには紙幅が足りない。後日くわしくブログで紹介します。

朝のコーヒーを求める人たちの列は途切れない。ビジネスマン、犬の散歩の途中らしい女性、近くのホテルに泊まっているヨーロッパの観光客など、客層は様々。

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キュートなバリスタの二人。とても親切にしてくれた。

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ライムとポピーシードのドーナッツは遠慮ない甘さ。
ハムとブリーチーズのカスクルートは温めてくれてサクサク、チーズとろとろ。
こういう朝食大好き!毎日食べたら太りそうだけど・・・。

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コーヒーはエチオピア。軽やかな甘さと、ふんわり優しいフレーバー。
バリスタさんはライトローストと言っていたけど、私の感覚では中煎りくらい。

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エクエーターのカフェはサンフランシスコ北部に三店舗、市内にはビジネス街近くに二店舗あり、最近UCバークレー校の中に一店舗できた。

なぜミッションやバーナルハイツなどの繁華街や住宅街ではなく、ビジネス街や大学内にカフェを作ったのだろうか。

それはコーヒーの物語をもっと多くの人に伝えたいという、彼女たちの思いではないだろうか。素晴らしいコーヒーが、ヒップスターや富裕層のためだけでなく、ビジネスマンや大学生の日常にあること。毎日何気なく飲むコーヒーに物語があるということ。逆にサンフランシスコの知識層が彼女たちの思想を求めたのかもしれない。

“Our story lives in every cup we make.”

彼女たちの言葉。
もう20年も前から物語は積み重なっている。

次世代の私たちは日本で何をするんだろう?
サンフランシスコの優れたカフェを訪れる度にそのことを思う。

はやく走りだそう、思い描いていることは果てしないのだから。
店の外まで続く行列を眺めながら、そんなことを考えていた。

(つづく)

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