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【TASTE】
ブラッドオレンジ、黒糖、クリーミー。
【COMMENT】
味わい深いコーヒーです。じんわり旨味をともなったシトラスの甘さと酸、アフターテイストが非常に甘く、飲んでいて何とも心落ち着きます。ブライトな酸やフローラルなフレーバーを持つケニアは多くありますが、このケニアはむしろ、なめらかな質感と甘さを味わえます。
【STORY】
このコーヒーについて語る前に、まずケニアのコーヒー生産について説明しなければなりません。ケニアにとって、コーヒーは最も重要な農産物。昔から国を挙げて、コーヒーの品質や生産量の向上に取り組んできた歴史があります。そのため、農業協同組合やオークションなど、確固たるシステムが構築されており、生産者と直接コミュニケーションを取ることは非常に難しいという状況です。すべてが国(農業省)の管轄下におかれています。そんなわけで、ケニアのコーヒーの名前には農園ではなく、工場もしくは農協の名前がついているのです。「ムシングイニ」は、農園の名前ではなく工場の名前というわけです。この工場には、四つの村の農家さんが育んだコーヒーが集まっているそうです。
《ケニアのコーヒーが輸出されるプロセス》
農家さんが工場にコーヒーチェリーを持っていく→精製する→農協におさめる→オークションで価格が決まる→買い手が値段をつけて輸出される
ちなみにAAとはコーヒー豆の等級。豆粒の大きさ(スクリーンサイズ)によって決められています。等級は上から、AA、AB、C。価格もおおむね等級に準じますが、必ずしもABよりAAが美味しいとは限りません。等級は美味しさと比例しない。飲んでみないと分からない。これがスペシャルティ・コーヒーの考え方の基本です。
ムチングイニ・コーヒー・ファクトリーは、1968年に首都ナイロビ近郊のキリニャガ地区に設立されました。1,000人以上メンバーがいる、ルワマ農業協同組合(Rwama Farmers Co-operative Society Ltd)によって運営されています。この工場の特徴は、非常に生産性が高いこと。7人の常勤スタッフで運営され、時期によってカジュアルワーカーを雇います。年2回の生産サイクルがあり、4月から6月にかけて早い収穫が行われ、その後10月から12月にかけて第2シーズンが続きます。
コーヒーの精製には大量の水を使うので、常に排水が問題になりますが、この工場は自然環境への配慮として、排水を流さない仕組みを採用しています。土の中に特殊なくぼみをつくり、自然に濾過させて地下水に戻すという方法(waste water soak pits)です。
このコーヒーは「ヨーロッパ12人の旅」で訪れた、ノルウェーのコーヒー商社「Collaborative Coffee Source(コラボレーティブ・コーヒーソース)」から仕入れています。ヨーロッパで初めて、マイクロロットに特化した焙煎所「KAFFA(カッファ)」が立ち上げた商社です。
生産地名:キリニャガ地区
品種:SL28、ルイル11(カティモールとSL種の交配種)約1%
精製方法:ウォッシュド
SL28はケニア独自の品種です。SLは「スコット・ラボラトリー」の略で、1930年代にケニア政府が、干ばつに耐性があり、収穫量が高い品種を見つけるために、ケニアにあるさまざまな品種を調査し、カタログ化しました。その中で最終的に、SL34とSL28という品種が残りました。SL28は収穫量はそれほど多くないものの、複雑で豊かな風味を備えています。