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30年のあいだ育ててきたダニエルの生き甲斐が、一瞬にして・・・

ダニエル・ベラ・フィンカがハリケーンによって壊滅した。

 

奇跡的に繋がることができた理想的な生産者ダニエルが約30年のあいだ育んできた農園が、一瞬にして失われた。2日前まで、あんなにも美しかったフィンカが、今はもうない。こんなことが現実としてあるのか。

 

・・・

 

僕たちは本当に信じられなかったし、信じたくなかった。一晩中語り合ったすぐ後に、まさかこんなことになるなんて。

ハリケーンの被害が思った以上にひどいことは道路を見れば想像はついた。あらゆる場所で木が倒れていて、普通に車を走らせることすら困難な状態。

 


 

ダニエルの農園は大丈夫なのか?車を走らせながら胸騒ぎを抑えることはできなかった。

 

到着したとき、もう美しいフィンカは存在しないのではないかと頭をよぎった。それくらい、あらゆる場所の光景がひどかったからだ。

 

到着時は奥さんのMaeleinしかいなかったので、被害の状況とダニエルの様子を聞いてみた。

 

 

「ハリケーンがすべてを持っていった。コーヒーもバナナもグアバも、すべてを。」

 

「ダニエルは大丈夫??ショックを受けているよね?」

 

「朝農園を見たときは、隠れて泣いてた。でも、今は大丈夫。」

 

僕たちはしばらく言葉を失い、沈黙が続くなかでダニエルの帰りを待った。ダニエルにどんな言葉をかけてあげればいいのか。。想像すると胸が苦しかった。

 

自分が心の底から大切だと思って育んでいる場所が、一瞬にして失われてしまったら。。もし逆の立場なら、どんな言葉をかけてもらったとしても、その言葉が入ってくる余白は残されていないと思う。そんなことをずっと考えていた。

 

しばらくするとダニエルが帰ってきた。大雨に打たれながら、こちらに歩いてくる。

 

 

あまりの雨に表情が見えないが、ダニエルが僕たちに気づいた瞬間にしたこと、それはガッツポーズだった。ガッツポーズをして笑いながら、何かを叫んでいる。

 

帰るなり少し悲しそうな僕たちに気づいてダニエルはこう言った。

 

「前に進まなきゃ!私たちは生きている!」

 

この状況においても、前向きな言葉で明るく振る舞ってくれているダニエルを見て、僕たちは大声で笑いながら涙をこらえた。

 

 

絶対に平気なはずがないし、いつものダニエルとは少し違うことに僕たちは気づいていたからだ。それなのに、別に大したことないと語り、弱音は一切吐かない。

 

壊滅状態の農園を元に戻すのに最低でも3年以上かかることに対して失望することなく、持ち前の明るさと前向きさ、そして僕たちに心配をかけたくないという優しさから、近い将来への希望を見出し楽しそうに語ってくれたからだ。余計に泣けてくる。

 

 

この後もダニエルは話し続けた。僕たちは結局なにも言葉をかけられずに、ただダニエルの話を聞いていた。せっかくスペイン語を話せる仲間が今回はいてくれるのに、その元となる言葉が何一つとして出てこずに、ただただダニエルの優しさに甘えていた。

 

「この農園を復興させるために、なにか一緒にできることってないかな?」

 

やっと出てきた言葉。ダニエルは何を望んでいるのか、ダニエルとともに何ができるのか。それを見つけたかった。

 

「こうやって心配して、また来てくれて本当に嬉しいよ。ありがとう。」
とても嬉しそうに言ってくれた。そしてダニエルはそれ以上なにも求めなかった。

 


このとき僕たちは誰も言葉を交わしていないけど、みんな同じことを心に決めていた。

 

何年かかるかわからないけど、必ずダニエル・ベラ・フィンカで育まれたコーヒーを世界中の人に届けたいと。ダニエルの素直さや明るさ、究極の楽観性とともに。

 

僕たちは、語ることよりも、より多くのことを感知することができる。

 

どんな言葉よりも、相手を思う態度と行動がすべてを繋げて動かしていくことを実感することになった。

 

ありがとうダニエル。また手紙書くし、

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