インテリアショップや雑貨屋さんでよく見かけるコーヒーの抽出器具ケメックス。
「可愛いし、欲しいけど、これで美味しくコーヒー淹れる自信ないな・・・」
という方も多いのではないでしょうか。私も以前はそのうちの一人でした(コーヒー屋のくせに・笑)でも、今となっては、オフィスでコーヒーを淹れるときは必ずケメックスを使う、というくらいのヘビーユーザーです。私、ケメックスって、とても優れた抽出器具だと思うのです。今回はその理由について、いろいろ書いてみようと思います。
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Chemex(ケメックス)とはなんぞや。
ケメックスは1941年に、ある発明好きな科学者によって考案されたそうです。ドリッパーとサーバーが一体になり、注ぐ時手が触れる部分にウッドの持ち手(もしくはガラスの取っ手)が付いているという、この上なくシンプルなデザインです。まさに「甩の美」。MoMA(ニューヨーク近代美術館)の永久展示品に認定されているのも頷けます。あのイームズ夫妻や柳宗理も愛用していたんですって。
ケメックスは専用のペーパーフィルターを使うのですが、それも独特です。広げると正方形(もしくは正円)になる厚手の紙です。いきなり手渡されると「え、これをどうしろと?(笑)」と戸惑ってしまうような代物。紙の質も通常のフィルターより20〜30%厚めだそうです。キッチンペーパーっぽいです。
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Chemex(ケメックス)の優れた点。
その1:淹れ方がシンプル。
ケメックスの抽出は難しいと思われがちですが、私がおすすめする方法(明日投稿しますね)は、とてもシンプルです。簡単に安定して美味しいコーヒーを淹れることができます。シンプルだけに「俺のドリップテクニックをあますところなく発揮したい!」というようなコーヒーギークスには少し物足りないかもしれませんね。そういう人はV60とか使って下さい。「別にそこまで求めてない。いつも同じ味が出せたらいい」という方にはうってつけです。
その2:みんなに好かれる味。
ケメックスで淹れたコーヒーは、ボディ感がありややクリーミーで、甘さが引き立ちます。逆に広がるようなフレーバーやキラキラとした酸は、角がとれてぼやける印象です。ペーパーフィルターが分厚く、お湯がフィルター内に留まっている時間が長いので、そんな味になるのでしょう。柔らかいケメックスの味は、わりと万人受けするように思います。
その3:量をたくさん作れる。
例えば、家族団欒のとき、MTGの前、みんなにコーヒーを淹れてあげたいとします。4〜5人分でしょうか。そんなときの抽出器具の選択肢って、けっこう限られると思います。ハンドドリップで何回かに分けて淹れるか、大きめのフレンチプレスで淹れるか、あとはコーヒーメーカーか。ハンドドリップは時間かかるし、フレンチプレスは底の方のコーヒーが粉っぽいし、コーヒーメーカーだと味が・・・ですよね。そんなとき、ケメックスが便利です。4〜5人分を5分程度で手早く抽出することができるのです。これが思わず手に取ってしまう一番の理由です。
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さて明日は、おすすめの淹れ方について書きたいと思います。
(つづく)
参考:http://www.chemexcoffeemaker.com/