あまりにも有名になったブルーボトルコーヒーについて、改めて書いてみようと思う(いまさら)。
「サードウェーブコーヒー」という言葉(何を指してるのかよく分からないけど)と、シングルオリジンのコーヒーを一杯ずつ丁寧に淹れるスタイルを、お洒落なものとして市井の人に浸透させたのは、ブルーボトルの素晴らしい功績だと思う。
スターバックスが生産地にコミットして資本を投下し、高品質なコーヒーを生産する基盤をつくったのと同じように。コンビニコーヒーが缶コーヒーユーザーをレギュラーコーヒーのユーザーに押し上げてくれたように。
そんなブルーボトルって、実際世界のコーヒーシーンではどんな立ち位置なの?ということを理解している人は多くないように思う。
ということで、調べて整理してみました!
1971年アメリカのシアトルでスターバックスが創業。高品質なコーヒーをグローバルで飲めるようになった。そのオルタナティブとして出てきたのが、ノースカロライナのカウンターカルチャーコーヒー(1995年)、シカゴのインテリジェンシア(1995年)、ポートランドのスタンプタウン(1999年)だ。彼らはコーヒーの質を重視し、テロワールを表現するためにコーヒー豆を浅く焙煎し始めた。
その後、2002年にジェームス・フリーマン(James Freeman)がサンフランシスコでコーヒー事業を開始、2004年にブルーボトルを創業。サンフランシスコではその後、2005年にリチュアルコーヒー、2008年にフォーバレルコーヒー、2009年にサイトグラスコーヒーが続いた。ちなみにトリッシュ・ロスギブによってサードウェーブという言葉が初めて使われたのも2002年である。
つまり、ブルーボトルはサンフランシスコにおけるサードウェーブのパイオニアなのである。
2015年にサンフランシスコの大手、ピーツコーヒー(Peet’s Coffee & Tea)がインテリジェンシアとスタンプタウンを買収、そもそもピーツは2012年にドイツの投資ファンドに買収されているので、サードウェーブ草創期のカンパニーは経済的に統合されつつあると言ってよい。カウンターカルチャーコーヒーは卸とトレーニングセンターの運営という独自の路線を切り開いている。一方ブルーボトルは、グーグルやツイッターなど、テック企業などから多額の出資(50億円)を受けている。
巨大なひとつのかたまりとなったサードウェーブ草創期のコーヒーカンパニーたち。
独立した存在として頭角を現し、グローバル展開するブルーボトル。
そして、数多のマイクロロースターたち。
立場や役割は違えど、目指している世界は同じ。
ただ美味しいコーヒーが好き、という気持ちから始まっている。
だから、きっとスペシャルティコーヒーはどんどんよくなっていくと思う。
それがコーヒーのロマンティックでいいところ。
ところでフォーバレルはよく自分たちが「インディペンデントな存在である」ということを強調する。
彼らはピーツグループやブルーボトルにはできない仕事をしているのだ。