シドニー国際空港到着!
関空で4人、羽田で5人、シドニーで3人。
歩みを進めるたびに、仲間と出会っていく。
「ドラクエみたいだね!」と誰かが言う。確かに。
空港のドアを開けて屋外へ出ると、
太陽の光が力強くて思わず目をしかめる。
大きくて暖かい風にさらされて、
ああ、遠い国まで来たな、と思う。
風が吹くとユーカリの木の葉がさわさわ音を立て、
そのたびに独特のすっとする香りがした。
みんなでタクシー乗り場まで歩く。
さぐりさぐりの会話。
よそよそしさとこれからの日々への期待がふんわり漂っている。
一瞬、サンフランシスコの初日が蘇った。
そうそう、こんな感じだったっけ・・。
最終日にどうなるか想像して、
私はひとり心の中でにやっとした。
タクシーでシドニー郊外の一軒家に到着。
ホストが笑顔で迎えてくれて一安心。
ここで12人が三日間生活をともにする!
荷物を置いたら、休憩もそこそこに、
半分ずつチームに分かれて自由行動。
シングルオリジン、メッカ、アーティフィサーコーヒーなど、
シドニーでまずは行っておきたいカフェを大急ぎで回る。
ちなみに私の記念すべきファースト・フラット・ホワイトは、
シングルオリジンでした!
日本のカフェラテとは決定的に何かが違う。
ミルクの味が全然違う。原料は大事。
初日のディナーはタイ料理。
ここで全員がはじめて顔を合わせた。
ぎこちなく自己紹介したりして。
みんなこの夜にワクワクし始めている!
この旅には一つだけルールがある。
夕食後はリビングにみんなで集まること。
初日の夜、12人に手渡したものが二つある。
一つ目は、手紙。
私たちは、前回の12人の旅(サンフランシスコ)のメンバーから
次の参加者への手紙を預かっていた。
今回の参加者にそれぞれ12通の手紙をわたし、
ひとりひとり読み上げてもらう。
思いが時間と空間を越える。
みんなの声を伝わって、染みこむように。
二つ目は、スケッチブック。
旅の記録、自分のこと、仲間のことを、
書き留めるためのノート。
何を書くかは自由だけれど、ひとつだけ、
一ページ目に書いてもらうことは決まっていた。
「あなたの旅の目的は何ですか?」
全員の旅の目的をシェアしあう。
知らない者同士が、初めて自分を出す瞬間。
真っ白な自分から始める旅だから、
余計素直になれるのかもしれない。
旅が始まる!
12通りの感性で感じ、それが重なりあう。
旅が終わる頃、私たちはどんな思いを抱くのだろうか?
(つづく)