ブルックリンのステイ先のマンションは、
一階がカフェだった。
店の名前は「Rabbit Moon(ラビットムーン)」という。
私のブルックリンの旅は、そこのバリスタであるマイケルに、
ブルックリンのコーヒー事情を根掘り葉掘り聞いて、
プランを立てることから始まった。
「まずはレッドフックに行きなよ!いくつか焙煎所があるし、綺麗なところだから」
Red Hook(レッドフック)はブルックリンの西側の端にある。
工業系の港町って感じで、味気ない倉庫が立ち並んでいる。
でも、IKEAがあったり、ギャラリーがあったり、
美味しいシーフードの店があったり(ロブスターロール!)
キーライムパイの店があったり、歩いていると面白い。
もしニューヨークで一日ぽっかり空いたら、
散策をお勧めしたい地区だ。
マイケルに、スタンプタウンの焙煎所の場所を教えてもらっていた。
多分ここだと思うんだけど…。
看板も何もない。
ちらっと中を除くと、麻袋がある。
やっぱりここだ!
じろじろ見ていたら、中から兄ちゃんが出てきて、
「どうしたのー?」って声を掛けてくれた。
「私、日本で焙煎してたんですけど!スタンプタウンを超リスペクトしてて!
焙煎してるところを見せてもらえませんか!?」
と拙い英語で伝えたところ、
「もちろんいいよー!ツアーしてあげるよ」
と言って、焙煎作業中にも関わらず丁寧に焙煎所の中を案内してくれた。
きっと普段一般公開はしていない、完全に工場のような空間。
ラボ的なテーブル。見てるだけでワクワクする。
「何のコーヒーが好きなの?」って聞かれたので、
「アフリカが好き!」って答えたら、
帰りがけにケニアのコーヒーを二種類くれた(涙)
しかも、ニューヨークのあと、
ポートランドに行くって言ったら、
ポートランドのスタンプタウンのスタッフに連絡して、
焙煎所ツアーをブッキングしてくれた!
ポートランドの焙煎所を訪ねたら、
「アヤネだよね?聞いてるよー。welcome」
って笑顔で迎えてくれた!
どんだけ良い会社なんだよ、スタンプタウン。
一気にファンになってしまった。
コーヒー好きはコーヒー好きが好き(ややこしい?)。
コーヒーという共通言語があるだけで、
言葉がスムーズに通じなくたって、
こんなに繋がり合うことができるんだ。
(つづく)