次に辿り着いた場所。そこはパリ。
ブリュッセルからタリスに乗れば1時間半で到着した。
ヨーロッパでの夏休み、すべての場所への期待はあったが、僕にとってパリは格別だった。
けど、そんな期待とは裏腹に、パリで感じてみたかった2つのカフェはいずれも定休日だった。
彼らは夏のバカンスの真っ最中だったのだ。
まあ、僕の期待なんて知ることもなく、最高のバカンスを楽しんでいる彼らを想像すると、なんだかとても嬉しくなった。
なぜなら今回の旅は、僕にとってもヨーロッパでの夏休みであって、カフェをレポートするのは「夏休みついでの欲」みたいなものだったからだ。
そんな僕を見透かすかのような休日の静かなカフェの前で、別の場所でバカンスを楽しむ同じ感覚の彼らに思いを馳せた。まだ出会ったこともない彼らに。
きっと次に来る時に出会える方が良かったんだろうと。
「また来るね。」そう思った気持ちだけをカフェの前に置いてきた。
よし、そういうことであれば、あとはパリにきたもう1つの目的にフォーカスするだけだ。
パリのいくつかのカフェと同じくらい、いや、本当はそれ以上に行きたい場所があったからだ。
あの場所で、自らに問いたい問いが僕にはあった。
夜の8時、その場所に向かった。昼ではなく夜に行きたい理由があった。
夜の8時、パリの夏、ようやく夕日が沈む頃。思わず息を飲むくらいの景色に心が躍動する。
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到着。
僕が行きたかった場所を目の前にした瞬間、心臓がドキドキして、体が熱くなって、額に汗を感じた。
その感覚は、帰国してしばらくたった今でもハッキリと覚えている 。
ここに来たかった。エッフェル塔ではなく、どこでもなく、まず凱旋門。
エッフェル塔と凱旋門の歴史は僕が語るまでもなければ、一般的に語られていること以上に語れるほどの知識は兼ね備えていない。
フランス革命の100周年記念の万博で、「世界一高い建造物」というコンセプトでコンペを勝ち抜いたエッフェル塔もいいが、それ以上に誰かのために戦って、勝利した人たちの記念碑を今は感じたかった。
客体を意識したシンボルよりも、主体的な人の心を感じたかった。
門の下には、亡くなった無名戦士を埋葬した記念碑があり 1923年から「永遠の炎」が灯され続けているという。
自らに打ち勝った人たちの魂が100年近くここにあった。
やっぱりここだった。しかも昼間じゃなくて夜。
世界遺産には登録されていなくても、今の僕が観ている世界にとって、とても大切な遺産だった。
そして、、その凱旋門を中心とした周りには12本の道が放射状に開かれている。
引用元:http://www.street-pics.net/paris-arc-de-triomphe-from-sky-4k
この場所で、僕は自らに問いを立てたかった。
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サードウェーブコーヒーの捉え方は人によって色々あっていい。
その人にとって必要な捉え方を今はしていて、その発達プロセスが楽しいと思う。
ただ、3つ目の波がきたということ、その波によってコーヒーを楽しめる人が増えているということ。
そして、そこに革新的な育みあいが生まれているということ。
だからこそ、僕たちは普通じゃいられない。
この場所で、また楽しみが増えた。
まだまだ続く。