2016年11月20日〜25日まで、オスロとコペンハーゲンを12人で旅しました。
その様子をわりと個人的な視点で書き留めています。
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午前中、Kaffa(カッファ)でのワークショップを終えたあと、午後の予定はフリー。
「みんなでランチする?」ということで、グーグルマップで探したレストランを目指してみんなで歩きだす。
高台の住宅街を歩く。雰囲気が私の地元、神戸の山の手に似ている。こうしてなんでもない道を歩く瞬間にこそ、旅情があると私は常々思っている。あとから思い出すのは、観光名所やイベントより、こういう一瞬だったりするから。
住宅街を抜けて森の中を歩く。まさにノルウェイの森だ。途中に彫刻やアート作品がぽつりぽつりとあって、散歩するにはうってつけの小道だった。
しばらく歩くと、こんな風景がぱっと広がった。芝生の上には雪が溶け残っていた。光がきらきらしている。何度も深呼吸する。気持ちいい。
芝生の丘を少し下ると、オスロ市内が一望できるレストランに到着した。高台から見ると街の大きさが分かる。やっぱり神戸っぽいな、と思う。
それにしても北欧の建築は美しい。計算されつくされた無機的な美しさがある。タクシーの中から眺めて、うっとりしてため息をついてしまう。
素晴らしい眺めのレストランでランチをとったあと、いくつかのグループに別れて行動する。ムンク美術館に行くグループや、カフェ巡りをするグループなど。
私はカフェ巡りをした。シュープリーム・ローストワークス、カフェ・ブレネリーエ、ヤヴァ・・・。行くべきカフェをくまなく回った。それはもう大変に充実した、幸せな時間だった。
その時間の中で最も印象的だったお店を紹介しよう。「Rouleur」である。ワインとコーヒーと自転車とアートが融合したお店。薄暗い空間にキャンドルがいくつか、そして炎の映像が壁に映写されている。奥には自転車の工房がひっそりとある。
バーでは美人のバリスタ(ソムリエール?)が飲み物をサーブしてくれる。コーヒー豆は「Lippe」のエチオピア。リッペはカフェを持たない焙煎所で、コーヒー豆がどこで手に入るのか分からなかったので、幸運というほかない。
ここで飲んだコーヒーとシャンパーニュが驚くほど美味しかったことは、この旅のハイライトの一つである(写真がなくてすみません、空間に夢中だったんです)。
夜はそれぞれ食材を持ち寄って、手作りディナーの時間。正直に言って、この旅で最も美味しい食事だった。メンバーの料理のスキルが優れすぎていて、そのへんのレストランを軽々と凌駕する料理が何皿も現れた。笑っちゃうくらいゴージャスなディナーである。
シャンパンやワインのボトルが何本も開いて、オスロ最後の夜は、深まっていくばかり・・・。
(つづく)
Photo by Kazuyuki Shoji