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起こってしまった奇跡 1

出逢ってしまったーー!それは、あまりにも突然に、キューバコーヒーに!
私達は農園がある確率の高い地方へとレンタカーで、移動していた。
そこにいくまでも、いくつもの取捨選択をしてきた。
どこにいくのが、私達の理想とする農園に出会えるのか。他者の情報をシャットアウトして。自分達の感性をとぎすませて、行き先を決めた。
車窓の風景はどんどんかわり山を登るようになってきた。なんて、のどかな原風景なんだ。私はカメラ係として、外の風景を追っていた。何分間かはとったので、あとはコーヒーの木がないかを目を皿のようにしてみていた。
しばらくしたら、なんだかみたことのある葉をつけた、小さな苗木がたくさん植わっている一面があり、それは白い花を付けていた。
「コーヒーの木‼︎」思わず叫んだ。一足先に農園を経験していたことをココロから良かったと思った。あの時にみた苗木が目の前一面に広がる。
私達は車を止め、降り、その一面に釘づけになった。
何も言えなかった。私はミーハーな一面を持ち合わせて農園にいったが、HOOPのメンバーは、意味のある農園にいくことが命題だったので、コトバを失っていた。事業をローンチしてからの様々なことに思いを巡らせているのだろう。涙目になってもおかしくない。何時間でもみていられた。
そして、ふと視線に気づくと、丘の上の家の家族が、私達を見ていた。
「行ってみようよ!」
思わずまた叫んだ。本当に本当のチャンスは少ないのだ。今がそれだと本能が言っていた。これを活用しなくてどうする!「入っていい?」と聞いたあと、どんどん家に近づいていった。その家族にまた、たどたどしく私達のことを書いた紙を読んでもらった。この旅で一番もどかしかったのはスペイン語が私達にできないこと。こんなにも苦労をするとは。少しは英語が通じるんじゃないかと甘い考えだったことを痛感させられる。
「コーヒー淹れて、飲んでもらったら良いんじゃない?」他のメンバーが囁いた。あわてて、抽出器具を取りに行き、淹れて飲んでもらう。あまり、美味しそうじゃなかったけど笑それはそれとして、飲んでくれた。こちらのコーヒーは、濃くて甘いものを少ししか飲まない。
ふと、気づく。どこで、乾燥、焙煎をしているんだろう?と、なんとかアプリの翻訳で聞いてみると、裏においでと誘われた。家を抜けて、裏に行くと小さな小屋が。なんと、ここでおばあちゃんが家族が飲むだけ焙煎して、コーヒーを淹れているという!もちろん焙煎機はない。鍋焙煎だ!もっと、裏に誘われていったら、コーヒーの木が自生しまくっていた!彼らは自分達に必要なコーヒーを植え、飲んでいたのだ。生豆も見せてくれて、乾燥させたコーヒーチェリーも見せてくれた。完全にナチュラル製法のオーガニック!いや、ナチュラルを超えている。いうなればピュア?トラディショナル!とメンバーが言った。ぴったりだと思った。お土産にと、少しだけ生豆を持たせてくれた。私達にとってはなににもかえがたい宝物だ。出逢ってしまったし、繋がってしまった。もうこれをそのまま伝えるしかないのだ。これを目的の一つにしてきたのだ。来る前は公的なヒトやいろいろなヒトが、知らないのにいろんなことを言ってきたらしい。私も言われた。でも、実際行って見て、自分の眼でみたこと、感じたことが、事実でしかない。だって、実際にコーヒーはあったし、農家とも繋がれた。聞けばメールなどはないけれど、「また来ていい?」と聞くとよろこんで頷いてくれた。今度来るときは泊まっていけと、ジェスチャーで伝えてくれる。メールや電話はないけれど、住所がわかれば手紙は書ける!
もうこの家族と繋がっていくイメージしかわかない。
とにかく一つ目が繋がった。奇跡に等しいと思う。でもその奇跡を残りの日で、いくつも作っていくのだ。また、ワクワクする出逢いが私達を待っている。はやく、出逢いに行かなくては。

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