朝六時半にカサを出て、サンティアゴ・デ・クーバに到着したのはお昼過ぎだった。
窓から吹き込んでくる風の熱さが違う。私たちはキューバの南端に来たのだ。車を降りるとすぐ客引きが寄ってくる。ハバナでは一回も話し掛けられたことなかったのに。暑さと疲れでくたくたの私たちは、さらにげんなりする。
キューバ第二の都市サンティアゴ・デ・クーバは少しラフな街だ。「大阪みたいだね」と誰かが言った。そうかもね・・。昼夜構わず大音量でクラブミュージックが流れている。道端にゴミが捨て置かれ、悪臭を放っている。ハバナやコーヒー農園の人たちの美しさに身を浸したあとでは、ギャップを感じざるを得ない。
ともあれ今日は、サンティアゴ・デ・クーバのカフェを満遍なく回り情報を集める。私たちの基本スタンスは、自分の目と耳と心を使って情報を集めること。それが一番強くて正しい力になる。ガイドブックやインターネット、人づての情報は参考にはなるけれど、本当の力にはならない。シンプルで早くて強い。このスタンスでいるのはとても気持ちいい。
街を歩き、目に入ったカフェに入ってコーヒーを飲み、お店の人に「コーヒー農園がどこにあるか知っていますか?」と尋ねる。それをただ繰り返す。書いてみると呆れるほど単純(笑)親切な人は次訪れるべきカフェまで連れて行ってくれたり、英語を喋れる人を呼んできてくれたりして、徐々に情報が集まっていく。携帯の地図にフラッグが溜まっていく。
この地図をもとに、明日はサンティアゴ・デ・クーバ周辺のコーヒー農園を尋ねる。