今日の予定を終えて、夜ご飯を勧められた近くのお店に行った。
今日一日の反省などを話しながらキューバご飯を食べていると、急に店内が停電。
最初はブレーカーが落ちただけでその内復帰するだろうと携帯のライトをつけながらご飯を食べていると、店内の客が全くいなくなっていて、パンパンパンと嫉ましく弾ける音が連続して鳴った。お店のスタッフに聞ても大丈夫としか答えてくれない。
次第に、スタッフも慌てだし、取り乱して声を荒げていた。
スペイン語なので何を言っているか全く理解出来ないが今回旅をともにしてくれている古賀さんがスペイン語を話せるので、なんて言ってるかを聞くと、よくわからないけどひょっとしたら脱出しないといけないかもしれない、と。
僕たちは何が何だかわからなくなると同時に今までに感じたことのない危機感を瞬時に感じ始めた。
状況がまったくわからず、外からも怒号のような叫び声が聞こえ、恐怖からイメージが膨れ上がり銃の撃ち合いが始まっているのだと思い始めた。スタッフに出たいと伝えても店から出ることを止められ、余計に恐怖は高まっていった。
オーナーらしき人物が手招きをして、この塀を越えて道へ逃げろと促す。
僕たちは一人ひとり塀を越えて、猛ダッシュで道の方へと逃げ出した。
その時、タイミング悪く銃撃戦に出くわして死ぬかもしれない。
と頭によぎった。
今、思い返しただけでもその瞬間がスローで思い出される。
避難してからよくよく聞くと、
ブレーカーが落ちて復帰させるために上げた瞬間に断線して、その線が接触しながら発していた光と音だったらしい。
ただ、もちろんガスを使って調理もしていたはずだからもしガスに引火していたら本当に命はなかったかもしれない。
生まれて初めて、死ぬかもしれないという感覚を感じた。
その時の自分を改めて客観的に見たときに、
本当の危機に直面した時に本当の自分が出る。
その時の自分はどうだったのか?